98・10・26
Tour"ADVANCE"
後楽園ホール

 

第4試合(10分一本勝負)

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ランキング8位
鈴木みのる
 
0'45"
チョークスリーパー
 
オマー・ブイシェ
 
 
「秒殺の向こう側に」  Text by 誉田哲也&井田英登

 

 イシェはBGMの盛り上がりも待たずにさっさと入場してくる。

 一方、鈴木は花道を渡りきっても素直にリングインしない。黒タオルを被ったままの姿 で、エプロンサイドで二巡三巡する。美意識にしたがってなのか、あるいは迷いがあった のか? 結局、「風になれ」の「れ」でリングに立つ鈴木。

 始早々、ブイシェはローリング・ソバットを見舞う。ロープまで飛ばされる鈴木。特 にダメージはないように見えるが、観客はどっと沸く。鈴木は気を取り直して掌底から組 み付き、反対側のロープまで押し込んでブイシェに首投げ一閃。

 イシェはそれでも下から鈴木の腕を狙う。嫌った鈴木と体勢が入れ替わり、ブイシェが 上で横四方。起き上がった鈴木は、回転ヒザ十字を狙ったのか、自分からうつ伏せになる が、ブイシェの足はつかめず。まったく無防備のままバックを取らせてしまう。ブイシェ はそのままバック・マウント。鈴木は最初から潰れて、両足はロープから出ている。ブイ シェは難なく鈴木の喉元に上腕を滑り込ませる・・・間もなくタップ。



 イシェは確かにいい動きをしていた。開始早々のローリング・ソバットといい、チョ ークに入るスピードといい、これが旗揚げ2年までの鈴木相手に勝ったのなら、とんだ掘 り出し物である。しかし、初来日の時はそれに見あうインパクトが有った選手とは言いが たい。今日の試合が爆発的成長の成果でないかぎり、この短期決着は鈴木の側に原因があ るとしか思えない。やはり気になるのは十字狙いに見えた動きの、グリップのあっけない ほどの甘さである。前回の休場の原因となった握力の低下が頭にちらつく。それとも、私 の想像を超えるスピードで、鈴木は弱くなっているのだろうか? 試合後のコメントがな いために、その原因はあくまで想像するしかないのだが。

 
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取材:慈村ゆんた カメラ:井田 英登